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製薬企業のカスタマフェーシングチームの将来像
ビジネスの進化と適者生存
Aug 27, 2021
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本資料はIQVIA米国本社が2018年に発表した「Pharma’s Future Customer Facing Team」の日本語訳です。

本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。 英語版は以下URLをご参照ください。

Pharma's Future Customer Facing Team

製薬業界の収益性は縮小されつつあり、これにはいくつかの要因がある。多くの主要企業が一桁成長を報告していることからも明らかなトップライン成長の低下、特に米国市場における保険者からの価格に対する圧力や割引率増加、そして継続的な研究開発費の増加が挙げられるが、その結果販売費及び一般管理費は圧縮されほとんどの大手製薬企業において売上高に占める割合が減少している。

間に上市された新規有効成分 (NAS) の数は、過去5年間と比較して先進8市場すべてで増加した。米国では、NASの年間上市数は2021 年まで平均で40~45製品と予測されている。さらに、これらの上市品は洗練された製品で競争の激しいスペシャリティ領域に上市されることが多い。オンコロジーと自己免疫疾患の2つのスペシャリティ領域が2016年の全金額成長の35%以上に貢献した。上市はプロモーション活動における主要なフォーカスポイントであるため、図1に示すように、全般的に販売管理費が削減される状況においても、企業は販促活動において上市をサポートする必要がある。したがって、コマーシャルモデルは非常に重要な局面を迎えている。需要は高いが資金は不十分だ。

一方、コミュニケーションのデジタルチャネルやソーシャルメディアの普及に伴う技術変化は、コマーシャルモデルを革新化するという機運がかつてないほど高まっていることを意味する。テクノロジーは、患者の実際のアウトカムや経験をより深く理解するウェアラブルの台頭から、製薬企業と医療従事者間のよりシームレスで便利なコミュニケーションに至るまで、医療提供のステークホルダー間の革新的な関与に向けた複数の機会を推進する。医療提供とアウトカムに関して収集されるデータの量と種類がテクノロジーにより拡大されることは、当然コマーシャルモデルを越えて、臨床開発と医療提供の効率と改善を促進する可能性も拡大する。しかし、コマーシャルモデルを変革するというテクノロジーがもたらす大きな可能性を無視してはならない。

既存のビジネスモデルは変化に耐えられなくなってきており、抜本的な変革が必要とされている。カスタマフェーシングチームもそれに応じて進化していかなくてはならない。製薬企業のカスタマフェーシングチームの中核にいるのはもちろん営業担当者だ。製薬業界のモデルは、数十年にわたって驚くほど一貫しており、大規模な営業チームが個々の医師を訪問するという形態がプロモーションモデルの中心となっている。この資産は非常に貴重で、これを活用して製薬企業は医師と直接的な関係を構築して医薬品イノベーションに関する重要な情報を提供し、フィードバックとインサイトを収集することができる。今後もこの形がカスタマフェーシングモデルの重要な要素となるが、しかしここにもまた変化があるだろう。将来のカスタマチームは役割の面でより多様になり、個人もより幅広いスキルが必要とされるようになるだろう。また、極めて重要なのは、相互にコミュニケーションをとり、個々のサイロではなくシステム全体に対応するチームになることだ。

営業担当者による対面でのディテーリングは、医療従事者 (HCP) に製品情報提供活動を実施する上で当該チャネルがもつ力により、より、製薬業界におけるプロモーションの中心的な柱となってきた。当社のChannelDynamics™ データによると、2016年に調査対象となったすべてのHCPにおいて、先進7カ国(米国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、英国、スペイン)での対面販売活動の59%がHCPの処方変化を達成したのに対し、対面以外のチャネルではわずか32%だった。ここでいう変化とは、処方意図の増加が報告されているか、既に高頻度で処方を行っている処方者が同じ処方レベルにとどまることを意味する。しかしながら、医師や製薬業界がマルチチャネル環境に移行していく際に重要なのは、マルチチャネルプロモーションモデルのリアルワールドでの有効性は、対面/遠隔、パーソナル・ノンパーソナル、デジタル・従来型といった、そこに含まれるすべてのチャネルを組み合わせた包括的な効果であるとみなす必要があると留意することだ。

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